第267話:ブーマー

幕が降りても、俺は動けない。

息もしない。口も開かない。試そうとすらしない。

だって、終わってほしくない。魔法が解けてほしくない。彼女が最後の跳躍を決めて着地した瞬間に落ちた静寂が、胸の奥で鳴りやむのが嫌なんだ。

周りの連中も同じくらい固まっている。ルースターは手で口を覆ったまま、アッシャー――あの無表情で、何があっても揺るがないアッシャーでさえ、ペニーが舞台に足を踏み入れて以来、一言も発していない。両手は膝の上、拳を固く握りしめて、何かを必死に堪えているみたいだ。踏ん張っていないと、椅子からふわりと浮き上がってしまいそうな――そんな感じで。

正直、わかる。

だって、俺たちがいま目撃...

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