第38章:アッシャー

「発電機のかけ方、覚えてるか?」父さんが尋ねる。雨筋のついた窓の外を険しい顔でにらみつけ、父親の気合いだけで電気を呼び戻そうとしているみたいだ。

「よくは……」母さんは唇を噛む。「あるのは知ってるのよ。どこかに」

二人の視線が、そろって俺に向く。

俺はため息をつき、暗闇の中で皿を拭いていたキッチンカウンターから身を起こした。

「やってみる」

父さんが俺の背中をぱん、と叩く。「お前を家に置いとく理由があったってわけだ」

俺はスマホをつかみ、ライトを点けて、地下室の扉へ向かった。

突風が家に叩きつけられ、建物がぎしりと唸る。それでも階段は俺の体重をしっかり受け止め、降りるたびにスマホ...

ログインして続きを読む