第39章:アッシャー

嵐は、数分前に家の外へ出た時点ですでにひどかった。

だが、歩道を進みはじめて――いや、進もうとして――初めて、どれほど悪化しているのか思い知らされた。

雨は降るというより、切り裂いてくる。冷たく硬い膜が、露出した皮膚を愚かだと言わんばかりに、ちいさな刃物で引きずるように削っていく。

風も容赦ない。激しく、執拗に、体当たりしてきて、バランスを崩して転ばせようとしているみたいだった。

俺でさえきつい――

背丈は一八〇を少し超えていて、もっとひどい状況にも慣れている。体を固めて、自然の猛威に踏ん張っている――

それでもだ。

なら、彼女にはいったいどれほどのものか。

俺は振り返って確かめる。

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