第40章:アッシャー

最初は熱い湯が痛い。

嵐の中でペニーを引っぱって歩き、根こそぎ通りを引き裂きかねない風に踏ん張りつづけたせいで強張った筋肉に、鋭い針みたいに突き刺さる。

だが、一分もすると――最初の衝撃が引いて――心地よさが追いついてくる。

骨の奥まで染みていく種類の「いい」で、世界が熱と呼吸と湯気だけに縮んでいく。

タイルの壁に額を預け、首の後ろに水音を叩きつけさせながら、夜の最後の氷みたいな縁を振り落とす。

そして――そうだ。

考えがよぎる。

ペニーも今、二つ隣のドアの向こうで同じことをしているのだと。

髪が濡れて背中に張りついて、

熱で肌が紅くなって、

タオル一枚――あるいは、何も纏わずに...

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