第57章:ペニー

アイスコーヒーって、いったい何がどうしてなんだろう。日差しが肌に当たって、ベンチに腰掛けて、人生にひそかにくたびれ切ってる自分を見ないふりしてるときのほうが、なぜかずっとおいしく感じる。私はストローでカップの底をくるくるとかき回し、残ったシロップが混ざるようにしてやる。

一限は、驚くほど無難に終わった。抜き打ち小テストがあって、「架空の男の車が坂を上るときの速度の変化率を求めろ」だの「タイヤの温度も計算しろ」だの、どうしてそんなことを知る必要があるのか永遠に理解できないけれど――まあ、できた。よし。生き延びた自分に金の星でもつけておこう。

スマホをスクロールする。視界の端で「あなたが人生で...

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