第58話ペニー

多項式関数をもう一つでも見せられたら、ノートに火をつけて、燃え上がる私の失われた学業的野心の炎でマシュマロでも炙ってやる。

授業はまだ半分なのに、同じ一文を延々と書き写している気がする。私のノートなんて、カフェイン漬けのニワトリが走り書きしたみたいだ。アイスコーヒーのカップの縁をペンで小突き、結露がノートの端にじわりと染み込むのを眺めながら、どうにか集中しようとする。

「忘れないように。合成関数の逆関数は、置換を慎重に――」教授の声は単調に続く。午前十時半にこれをやらされて、みんな生きているだけで最高だとでも思っているみたいに。

私は白板を見つめ、これは大事なんだ、と自分に言い聞かせる。...

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