第73章:アッシャー

もう、自分が何をしているのかさえよくわからない。ただ、彼女にはずっと笑っていてほしい。それだけは確かだ。明るくて、やたらと大げさで、歯を見せて、喜びがこぼれ落ちるみたいな笑顔。

ファンネルケーキの屋台の前を通りかかると、彼女が息をのむ。その声の大きさときたら、誰かにプロポーズでもされたのかと思うほどだ。

「うそ……」彼女は目を見開いたまま俺のほうを向く。「ファンネルケーキ、好き?」

俺は肩をすくめる。「砂糖と揚げ物は好きだ。だから、まあ」

「最高」彼女はそう言って、もう俺の腕を引っ張って列へ向かう。「今すぐ必要」

粉砂糖の量で言い争っているカップルの後ろに並ぶ。ペニーは小さく鼻歌を歌...

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