第79章:アッシャー

バーの扉をくぐった瞬間、騒音の波に殴られる。怒鳴るように重なり合う話し声、グラスの触れ合う乾いた音、スピーカーから流れるひどいクラシックロック。ここに来るのは数か月ぶり、いやもっとかもしれないが、何ひとつ変わっていない。ビールと、揚げ油と、そして扉を開けて入ってくる連中が持ち込む、乾ききった希望みたいなものの匂いがまだする。

すぐに、あいつが目に入った。

エリック――俺たちの多くが今でもそう呼ぶ、ルースターは、奥の方のボックス席にいる。悪いほうの腕は包帯でぐるぐる巻きにされ、テーブルの上に不格好に据えられていて、もう片方の手でスマホをスクロールしていた。顔を上げて俺を見ると、にやりと笑う。...

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