第85章:アッシャー

また眠った。

たぶん。

呼吸が落ち着いている。さっきよりゆっくりで、柔らかい。片手はいまだに俺のシャツの生地をぎゅっとつかんだまま、離したら俺が消えてしまうと怖がっているみたいだ。俺が何だと思っているのか、自分でもわからない――錨か? 盾か? それとも、いずれいなくなる仮の何かか?

間違ってはいない。

だが、最近はそれだけじゃない気もしてくる。別の何かになりつつある。なってはいけない何かに。

暗闇の中、天井を見つめる。見えるものなんて何もない。影と、頭上で回るファンの羽の静かなリズムだけだ。月明かりがカーテンの端からかすかに差し込み、部屋を明るくするには足りないのに、彼女の柔らかさと...

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