チャプター 90: ペニー

ドアが背後で閉まりきる前に、香りが先にぶつかってきた。煙の匂い、食欲をそそる旨み、こってりとした豊かさ。私は一瞬だけ足を止め、それからアッシャーを見上げて満面の笑みになる。

「韓国焼肉?」息が上がりそうな声で言った。

彼は私を見下ろし、口元を小さく、少し歪んだ笑みに引き上げる。「好きか?」

「大好き」私は言う。「ほんとに、冗談抜きで大好き」

店内は混み合い、熱気でざわめいている。ボックス席にはグループがぎゅうぎゅうに詰まり、笑い声が壁に弾み、箸が触れ合ってカチカチ鳴り、卓上のグリルからジュウジュウという音が立ち上る。そこにいるだけで生きている気分にさせられる、そんな場所だ。

人が多す...

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