第108章 何があっても、彼女の息子だ

梅崎静が出ていくや否や、林田守萌はつかつかと前へ出て、正木司朗の腕をぐっとつねった。

「いっ……!」

司朗が目を見開く。相手が林田守萌だと分かると、むっとした顔で言った。

「ママは? なんでママ来てないの?」

「あなたのママが来ないって言ったのよ」林田守萌は隠しもせず、あっさり言い放つ。

「うそだ! ママが僕を捨てるわけない!」

司朗の感情が一気に爆発する。

そのとき、扉が開いて正木稲巳が入ってきた。目に飛び込んできたのは、司朗に突き飛ばされて床に倒れている林田守萌の姿だった。

林田守萌の手には、赤い線が走っている。擦りむけたらしい。

司朗は稲巳を見た瞬間、救いを見つけたよ...

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