第115章 滑稽劇としては悪くない

客席からのざわめきは、みるみる大きくなっていった。

ステージ上の林田守萌は針のむしろ。背中に視線が突き刺さる気がして、今すぐ床に穴があれば潜り込みたい。

配信のコメント欄も、勢いよく流れていく。

『口パクしてたの、キツネじゃなくて林田守萌だったのかよ』

『このレベルでよく大会出たな。予選2位って、どう考えても忖度だろ』

『だよな。さっきまでの出場者、難易度高い曲ばっかだったのに、林田のだけ簡単。なのにこの出来って……』

ステージ上の狩野姫空は、取り乱す林田守萌を見つめ、唇の端に薄い笑みを浮かべていた。

林田守萌は、いつ競技が終わったのかも、自分がいつ舞台を降りたのかも分からない...

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