第146章 何しに来た?

狩野姫空は病院を出ると、正木司朗を連れてスーパーへ向かった。司朗の好きな惣菜用の食材をいくつか、それから――彼が欲しがっていたレゴも。

けれど司朗は、最初から最後まで一言も発しなかった。

家に戻ると、狩野姫空はレゴの箱を手渡す。

「遊んでおいで」

司朗はおそるおそる受け取り、抱えたままリビングへ向かった。

狩野姫空は食材をキッチンへ運び、昼食の支度に取りかかる。

ちょうど出来上がった頃、玄関のほうからコンコン、とノックの音がした。

その音だけで、司朗はびくっと肩をすくめ、身を縮める。視線は扉のほうに釘づけだ。

狩野姫空は彼の怯えを察し、できるだけ柔らかい声で言った。

「お部...

ログインして続きを読む