第153章 正木稲巳が仕組んだ罠?

狩野姫空が食材を買って帰ると、正木司朗が玄関まで迎えに出て、黙って袋を受け取った。

姫空は台所にそれを置き、司朗の手を引いて顔を覗き込む。

「ねえ、どうしてエビチリ食べたくないの?」

以前の司朗は、週に二、三回は「エビチリ!」と言い張った。食べられないと分かった瞬間、ぷいっと拗ねてみせるほどだったのに。

「エビチリにはパクチーが入ってる。ママ、パクチーにアレルギーあるでしょ」

司朗は妙に真面目な顔で言った。

狩野姫空は、きょとんと目を瞬く。自分の耳を疑った。

――こんなこと、言える子だった?

あの一件を経て、司朗は驚くほど「こちら」を見てくれるようになっていた。自分のことより...

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