第154章 運がいい

先頭に立つ男は狩野姫空を舐めるように見つめ、瞳の奥に露骨な欲を滲ませていた。もう待ちきれない――そんな焦りまで見える。

狩野姫空はその視線を受け止めた瞬間、全身の血の気が引いた。恐怖で喉が凍りつく。

今日、自分はここで死ぬのかもしれない。

そう思った。……それでも、納得なんてできない。

「兄貴、こんな遊び方じゃつまんねえだろ。これ、使う?」

脇の男が、粉末の小袋をひらりと取り出した。

連中の下卑た笑いを見れば、何の薬かなんて想像がつく。

狩野姫空は必死に後ずさる。けれど狭い部屋だ。逃げ場なんて、どこにもない。

「ほら、これ飲めよ。苦しいのが減って、気持ちよくなれる」

先頭の...

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