第162章 離婚で与えられた補償

正木司朗の落ち着きが、狩野姫空にはかえって胸に刺さった。

子どもがいきなり大人びて聞き分けよくなるなんてことはない。そうならざるを得ない出来事があって、無理やり「分かる側」に立たされただけだ。

「……ママについていく」

狩野姫空は痛んだ。けれど、彼の問いには答えた。

正木司朗はこくりと頷き、それ以上は何も言わない。

「嫌なの?」狩野姫空が尋ねる。

もし嫌だと言うなら、正木稲巳と話をつけにいけばいい。

正木司朗は首を横に振った。

「ううん。僕、ママについていきたい」

「……うん」

狩野姫空も頷き、それ以上は掘り下げなかった。

「じゃあ、少し遊んでて。ママ、ごはん作るから」...

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