第17章 専業主婦

林田守萌も狩野姫空の存在には気づいていた。だが、あえて視線を外し、取り合おうともしない。

「みんな、今日は来てくれてありがとう。ささやかだけど、手土産を用意してきたの。気に入ってくれるといいな」

守萌はにこやかに言いながら、ひとりひとりに丁寧に袋を手渡していく。

最初は「学科の集まりに部外者を連れてくるなんて」と不満げだった者も、見た目からして高そうな品だと分かると、途端に顔色を変えた。結局、誰も文句を言わなくなる。

――ただ一人、狩野姫空だけを除いて。

姫空の前で、守萌の手が止まった。

「姫空、ごめんね。あなたも来るって知らなくて。佳恵からも聞いてなかったし、用意できなかったの...

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