第170章 正木修羽がまた彼女を助けた

狩野乃亜は鼻で笑った。

「やることやっといて、今さら人に言われるのが怖いの?」

正木稲巳の冷えた瞳に、刃のような殺気が宿る。

「狩野教授。こちらで監視カメラを確認しましたが、映像には狩野さんが林田さんの指輪を取った場面は映っていません」

南いきがそう告げた瞬間、林田守萌の顔色が変わり、視線が泳いだ。

――監視カメラのこと、すっかり忘れてた。

「ただ……」

南いきは一拍置き、淡々と続ける。

「死角になっている箇所がいくつかあり、林田さんの指輪がどうやって梅崎さんのスーツのポケットに入ったのかまでは確認できませんでした」

その言葉に、林田守萌は一気に息を吐いた。

「こんな広い...

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