第173章 正木家のあの婆さん、相当イカれてる

「ずっと闇の中で生きてた……?」

狩野姫空はますます首をかしげた。

狩野乃亜は鼻で笑う。

「正木家のあの婆さん、相当イカれてる。正木修羽は、散々いびられてきたんだよ」

乃亜の言葉は、姫空の疑問を深めるばかりだった。

乃亜兄さんが言うことなのに、自分は何ひとつ知らない。

――そもそも、正木家のことをどれだけ分かってるっていうの。

「乃亜兄さん、なんでそんなに詳しいの?」

姫空は素直に聞いた。

それに、気づいてしまった。

乃亜兄さんと正木修羽の間には、表面上のよそよそしさとは別の何かがある。

乃亜は隠しもせず、あっさり言った。

「修羽、大学は帝都だったろ。俺と同級生」

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