第192章 江口宇介が訪ねて求愛する

「狩野教授、少しお時間よろしいでしょうか」

梅崎宇作は狩野乃亜の研究室に足を踏み入れるなり、前置きもなく切り出した。表情は硬く、冗談の余地がない。

狩野乃亜は視線を上げ、訝しげに彼を見る。

「梅崎課長、私に何の話ですか」

「狩野教授……あなた、狩野姫空のこと、好きじゃないですよね」

梅崎宇作の直球に、狩野乃亜はむしろ興味をそそられたように口元をゆるめる。

「どうしてそう思う。どこを見て、私が姫空を好きじゃないって判断した?」

「雰囲気です。仮に好きだとしても、恋人としての好きじゃない」

梅崎宇作は一切の遠慮をしない。

狩野乃亜の目には、甘い熱も、曖昧な色も見えなかったからだ...

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