第20章 狩野姫空、私を殺すつもりだったのか

正木稲巳が戻ってきたのは、夕食のあとだった。

狩野姫空は一階に降り、自分で軽く腹を満たしてから、また二階へ上がった。

先生から出された課題――その命題が、まだ腑に落ちていない。

カチャリ。

ドアが開く音。

気配に姫空が顔を上げると、正木稲巳が部屋へ入ってきたところだった。

驚きはない。稲巳は帰宅すると、真っ先に彼女のところへ来る。

今日は林田守萌に恥をかかせ、嫌な思いもさせた。

それに司朗まで叩いた。

この男が、黙って見過ごすはずがない。

「ノキ研究所で働いてるのか?」

その質問に、姫空は心の中で小さく笑った。

てっきり先に「司朗に何をした」と詰めてくると思っていたの...

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