第201章 本当に勝ったのか?

狩野姫空は意外だった。

まさか、林田守萌の差し金だったなんて。

もっとも、誰の発案かなんて、今となっては大した問題じゃない。

ただ一つ分かるのは――正木稲巳が、林田守萌をどれほど気にかけているか、ということだけ。

「正木グループが研究所を再建したの、知ってる?」

林田守萌が、わざとらしく尋ねてくる。

狩野姫空は答えない。

林田守萌も気にした様子はなく、くすりと笑った。

「稲巳がね、全部私に任せてくれたの。責任者は私」

「おめでとう」

狩野姫空は淡々と返した。

その反応が、林田守萌の癇に障ったのだろう。彼女の狙いは狩野姫空を揺さぶり、取り乱させることだった。思惑通りにいか...

ログインして続きを読む