第209章 新たな身分を得る

狩野姫空は判決書を手にしたまま、胸の内がなんとも言えない味で満ちているのを感じていた。

嬉しい、と言い切れるほどでもない。けれど悲しいわけでもない。

ただ、これまでにないほど静かだった。

まさか半月も経たないうちに、もう判決が下りるなんて。

――長島正弘弁護士が何か動いたのだろう。そうでなければ、こんなに早いはずがない。

「キキ、独り身に戻ったんだね。おめでとう」

狩野乃亜が近づいてきて、心からの祝福を口にした。

狩野姫空は口元に淡い笑みを浮かべる。

「ありがとう」

「せっかくのめでたい日だし、ちゃんとお祝いしよう。ちょうど茂と修羽も退院したばかりだし、みんなでさ」

乃亜...

ログインして続きを読む