第21章 何を隠している?

狩野姫空は背筋にひやりとしたものを覚え、振り返った。正木稲巳が少し離れた場所に、陰った顔で立っている。

身の回りをさっと整え、立ち上がって近づいた。

「何か?」

冷えた声。温度も、感情の揺れもない。

正木稲巳が自分に会いに来たとは、到底思えなかった。

「家に客が来てるのに、お前だけ外でのんびりして。どういうつもりだ」

咎める言葉なのに、声の抑揚は薄い。叱っているはずなのに、淡々としている。

狩野姫空は口元をわずかに吊り上げた。

「私、家政婦でしょう。私がもてなす番なんですか。女主人はあちらにいるのに」

「狩野姫空」

正木稲巳が間合いを詰め、じっと見据える。

――変わった...

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