第212章 正木稲巳とまた出会う

手と手が触れ合った瞬間、電流みたいなものが走って、狩野姫空の胸をまっすぐ撃ち抜いた。

静かだった心の湖面が、いきなりかき乱される。

正木修羽は、彼女が動かないのを見て、自分の手をちらりと見下ろし――

「またはぐれたら困るから。手、つないでたほうがいいだろ」

そう言われた途端、さっきまで暴れていた鼓動がすっと落ち着く。

「……うん」

姫空は手を振りほどかなかった。

修羽は彼女の手を引いたまま川沿いを離れ、駐車場まで歩く。そこでようやく、まだ手をつないだままだと気づいた姫空は、はっとして手を引っ込めた。

ふっと、修羽の手の中が空になる。

その目の奥に、ほんの一瞬だけ寂しさがよぎ...

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