第213章 正木稲巳も孤児院に来た

正木稲巳の顔色が、瞬く間に冷え切った。狩野姫空が、正木修羽を庇うとは思っていなかったのだ。

「狩野姫空。俺が幸福孤児院に寄付してるのは、全部お前のためだって分かってるのか」

――ここまでしてやっている。そう言いたげな声音。

狩野姫空も、正木稲巳が幸福孤児院に金を出したと聞いて、正直驚いていた。

以前の彼は、ここに来ることすら嫌がっていたのだから。

「ここは、お前とお前の母親が暮らしてた場所だろ。お前が大事にしてるのも知ってる。だから、全面的に改修しようと思ってる。どうだ?」

正木稲巳が距離を詰めてくる。

狩野姫空は一歩退き、彼との間に線を引いた。

「正木社長が幸福孤児院にお力...

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