第217章 正木司朗がいなくなった

「正木司朗くんのお母さまでいらっしゃいますか。学校の担任です。司朗くんが……いなくなりました」

「……え?」

狩野姫空は椅子を蹴るように立ち上がった。

そのまま実験室を飛び出し、足早に研究所を出る。

外へ出た途端、狩野乃亜が追いついてきた。

「キキ、どうした? さっき初から電話があってさ。司朗がいなくなったって」

「私も今、先生から連絡が来た。これから学校に行く」

歩きながら言い捨てるように答える姫空の横に、乃亜が並ぶ。

「俺が運転する。一緒に行く」

姫空は拒まなかった。今の自分がハンドルを握れる状態じゃない。胸の中はぐちゃぐちゃで、思考がまとまらない。

――司朗が、学校...

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