第34章 二人のママ

林田守萌は狩野姫空の姿を見つけると、わずかに目を見開いた。だがそれも一瞬。すぐに表情を整え、余裕の笑みを浮かべる。

「姫空も来たんだ。来るって分かってたら、私、来なかったのに。司朗の保護者会、ずっと私が出てたし」

――あからさまな見せつけ。

狩野姫空が聞き逃すはずもない。

「司朗くん、ママが二人いるの? どうして保護者が二人も来てるの?」

クラスメイトが無邪気に首をかしげる。

保護者たちも同じ疑問を顔に浮かべた。

「林田さん、あなたは見たことあるわ。前の保護者会も来てたわよね。じゃあ……こちらの方は?」

視線が一斉に狩野姫空へ集まる。

彼女は一度も顔を出したことがない。誰も...

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