第43章 あれは狩野家のものだ

林田守萌は、どうしてこんな真似をするのか。

狩野姫空は目を細めた。

正木稲巳が狩野姫空と狩野乃亜のほうへちらりと視線を投げ、手にした札を掲げて、淡々と言い放つ。

「2億」

ただのブレスレットが、いまや2億まで跳ね上がっている。

競売人でさえ、信じられないという顔を隠せない。

「4億」

狩野乃亜が迷いなく追いかけた。

この値の上げ方に、会場の空気がざわつく。理解が追いつかない、とでも言いたげな視線があちこちから刺さった。

林田守萌は、狩野乃亜がここまで姫空のために張り合うとは思っていなかった。胸の奥がどろりと嫉妬で濁る。

「稲巳……姫空って、わざとやってるの? あのブレスレ...

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