第50章 財産分配

狩野姫空が焼肉を食べたいと言うので、狩野乃亜は車を出し、焼肉店へ向かった。

ちょうど夕食どき。店内は満席で、熱気と煙が渦を巻いている。

狩野乃亜は姫空にメッセージを入れたあと、すぐ店へ電話し、個室を押さえた。

三人が個室へ通されると――正木心歌が、こそこそと後をつけてくる。

食事をするだけで個室?

怪しくないわけがない。

心歌の中で確信はさらに強まった。

狩野姫空と狩野乃亜は、絶対に何かある。

今にも扉を勢いよく開けて乗り込もうとした、その瞬間。

ぐいっと腕をつかまれ、引き戻された。

「守萌さん?」

振り返った心歌は目を見開く。

林田守萌は心歌を別の個室へ引き入れ、扉...

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