第51章 狩野姫空に翻弄された

正木心歌が電話をかけた瞬間、ぷつりと切られた。

「はぁ!? 切った!?」

腹の底からムカつく。狩野姫空、最近ますます図太くなってきた。まさか自分の電話を切るなんて。

すぐさまかけ直す。だが今度は――電源が切られている。

同じ頃、正木稲巳のもとに狩野姫空から一通のメッセージが届いた。稲巳は画面を見た途端、眉間にしわを寄せる。瞳の奥がすっと沈み、周囲の空気まで冷えた。

「ほら、兄さん見てよ。絶対やましいんだって。来る気ないから逃げたんだよ。携帯まで切ってさ、どこで何してるんだか」

心歌はわざとらしく煽り、火に油を注ぐ。

「……もういい」

稲巳の低い怒声。

心歌はびくっとして、口...

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