第52章 家族の集まりに彼女はいない

江口ココは一瞬きょとんとして、ぽつりと呟いた。

「今日って……10日の夜7時だよね」

「10日?」

狩野姫空は目を見開いた。

まさか自分が、研究室に丸2日も籠もっていたなんて。

正木稲巳は……市役所へ行ったのだろうか。

研究室を出ると、姫空はスマホを取り出した。画面には不在着信がずらりと並んでいる。

正木心歌から。梅崎静から。林田守萌から。

――でも、正木稲巳からはない。

電話どころか、メッセージも1通も。

自分がどれだけ姿を消そうが、あの人は気にもしない。そういう人じゃないか。

姫空は自嘲気味に口元を引きつらせ、それでも正木稲巳に発信した。

開発実験はひとまず形にな...

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