第53章 ママとパパは離婚する?

狩野姫空が歌い出した瞬間、個室にいた全員が息をのんだ。――扉の外に立っていた若井京でさえも。

……これ、本当に狩野姫空か?

胸の奥に小さな疑問が芽生え、若井京は思わず彼女を見つめ直す。

今の狩野姫空は、彼の知っている「狩野姫空」とはまるで別人だった。

そこに立つ姿は、まるで一筋の光。

自信があり、落ち着いていて、歌声は澄んで美しい。

「誰だよ、あれ。歌、うますぎだろ。原曲に全然負けてねえ」

若井京の隣にいた男が、宝物でも見つけたみたいに声を弾ませた。

「若井、知り合い? 入って挨拶しようぜ」

若井京は視線を引き戻し、目を細める。

「……お前、何する気だ」

「へへ」

木...

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