第60章 彼女たちが悪意を抱いていると分かっていた

二人が去った途端、江口ココが小声で吐き捨てた。

「……キモ」

「入ろ。あんなのに気分壊されたら損でしょ」

狩野姫空はふっと笑う。

ほかの面々はすでに個室に入っていて、前回と同じように飲んで食べて、わいわい盛り上がっていた。

ちょうどノってきたところで、個室の扉がすっと押し開けられる。

入ってきたのが林田守萌だと分かった瞬間、空気が凍りついた。

誰もが息を呑み、好奇の視線を一斉に向ける。

林田守萌はその視線など気にも留めず、微笑みを崩さないまま、申し訳なさそうに頭を下げた。

「すみません、お邪魔します。狩野姫空さんに用があって」

さっき二人が知り合いだと分かったばかりだ。驚...

ログインして続きを読む