第67章 あなたのママに腹を立てられて

狩野乃亜と長島正弘と別れたあと、狩野姫空は家へ戻った。

赤ワインを一杯注ぎ、サンルームのガラス窓の前に立つ。外では、色とりどりのネオンがきらきらと瞬いていた。

七年間、心から尽くしてきた家。七年間、愛してきた男。ここまで拗れてしまって、平気でいられるはずがない。

けれど以前に比べれば、正木稲巳に傷つけられても、胸の痛みはもうそこまで鋭くはなかった。

できることなら――七年前、彼に出会わなければよかった。まして、助けたりなんかしなければよかった。

頭の中に、勝手に七年前の光景が蘇る。

交通事故に遭った正木稲巳を助け、病院へ運び込んだ。

それで終わりだと思っていたのに、まさかその後...

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