第70章 梅崎静の頭痛症発作で気絶する

朝の一筋目の陽がカーテンの隙間から差し込み、狩野姫空は大きく伸びをしてベッドを出た。

昨日は、久しぶりにぐっすり眠れた夜だった。

眠れただけで、身体の芯まで軽い。気力も、少し戻ってきた気がする。

身支度を整え、研究所へ向かう。

ドアを開けた瞬間――外に立っていた正木稲巳の姿に、心臓が跳ねた。

「……正木稲巳?」

どうして、また。

しかも服装は昨日と同じ。林田守萌のところから出てきて、そのまま? 家に帰る暇すらなかったのか。

……それで、わざわざ私のところへ?

正木稲巳がゆっくり顔を上げる。

充血した瞳。怒りが底に溜まりきっていて、見ただけで背筋が冷えた。

「なんで開けな...

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