第6章

「来週は恒例のチャリティー舞踏会が行われる」

厩舎にて、乗馬教官がそう告げた。

「これは我が校の評判、そして君たちの家の名誉に関わることだ」

私の心臓は早鐘を打ち始めた。

この舞踏会こそ、お父様が後継者を決定する場なのだ。オフィーリアにこれ以上、甘い汁を吸わせるわけにはいかない。

「コーデリア、次は君だ」

教官に名を呼ばれる。

私は愛馬へと歩み寄り、鞍の点検を始めた。――案の定だ。革の継ぎ目に、微細な切り込みが見つかった。誰かが刃物を使って細工をしたに違いない。

周囲を見渡すと、オフィーリアは自身の馬具の手入れに『専念』しているふりをしていた。だが、彼女は何度もこ...

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