第124話

クインラン視点

これが終わってよかった。宮殿に帰れる。ホテルでもう一泊すれば、また自分のベッドで眠れるんだ。

『我らのメイトが隣にいればな』ブローガンが低く唸る。ここ一時間ほど、俺たちはピリピリとした感覚を覚えていた。それを感じるたびに、彼女を肩に担いで逃げ出してしまいたい衝動に駆られる。

ブローガンは時々静かになり、ある時点ではほとんどその存在を感じられなくなった。どこにいたのかという俺の問いには答えていないが、そんなに遠くへは行けなかったはずだ。

俺がラリッサに印を付ければ、あいつは望むならレイアと過ごしに行ける。つまり、現時点では、俺たちの両親のシフターとしか繋がれないし、運が良ければ...

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