第139話

ダラス視点

眠りに落ちていくマーシャルの小さな手が、私のドレスのストラップから滑り落ちるのを見て、私は微笑む。そして、素早く、けれど慎重に、腕の中でその体を抱き直した。

ダクストンが私の腕からマーシャルを受け取ってくれる。私はクインランに続いて舞台へ向かい、エヴェレットがすぐ後ろについてくる。

舞台ではラリッサがすでに待っていた。彼女は必要以上に立っていなくてもいいようにとクインランが配慮し、イライザ叔母様に席まで案内されていた。

ヴォーン叔父様が王位を退く宣言をするのを、私は耳を澄ませて聞く。その宣言と同時に、ガーディアンたちが所定の位置についた。

もし王家に対して誰かが事を起こそうとする...

ログインして続きを読む