第38話

ダリウス視点

カミュは彼女を殺したがっている。俺も殺したい。サイランも彼女を殺したがっている。ダクストンもだ。

俺が彼女を母親だと思おうとした瞬間、カミュが唸る。ダクストンを裏切ることを選んだ時点で、彼女はその権利を失ったのだ。カミュにとって、彼女はマデリーンという名でしか認識されないだろう。俺にとっては、それを整理するのに数日かかるだろうが。

「ベータフロアに行かないか、おチビちゃん」ダクストンが尋ねると、ダラスは一言も言わずに俺たちの手を掴み、部屋から連れ出した。

俺たちの後ろでドアが閉まった途端、ダクストンはダラスを腕に抱き上げ、リビングのソファに向かって歩いていった。彼はダラスを腕に...

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