第63話

ダラス視点

私は皆に、デズラ王女が口にした答えを消化する時間を与える。どうせ、じきに爆発するのだから。

長老たちは王家よりもずっと冷静さを保っているが、まあ、彼らにとっては自分たちの家族の問題ではないのだから、それも当然か。ヴォーン王は内なるライカンを表面近くまで滲ませながら私を見ている。もしかして、点と点が繋がり始めているのだろうか。

「デズラ王女、こちらの席へ移動していただきたい。ダロン王子にもそうするよう勧めてください。全ての真実が明らかになる前に、誰にも死んでほしくありませんから」私は彼女に座ってほしい場所を指差しながら言った。

幸い、デズラ王女は愚かではなく、私の提案通りに行動した...

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