第7章

そのとき、不思議な感覚に包まれた。

まるで重力から解放されるように、私の意識が身体からふわりと抜け出していく。

気がつくと、天井近くを漂っていた。

見下ろすと、ベッドに横たわる自分の姿があった。胸が激しく波打っている。医師が私の胸を圧迫し、看護師が除細動器を運んでくるのが見えた。

「クリア!」

バチッ――

私の身体は操り人形のように跳ね上がり、そして再びベッドに叩きつけられた。

なんて馬鹿馬鹿しい光景だろう。

その瞬間、記憶がダムの決壊のように押し寄せてきた。

十七歳の誕生日パーティー。シャンパン色のドレス。玲華に渡された飲み物。

羅生院誠の手。三人の...

ログインして続きを読む