番外編 柚子
病院の白い廊下は、いつも眠子が着ていたあの白いシャツを思い出させる。
彼女に付き添ってここに来るのは、もう三度目だった。医師は抗うつ薬と睡眠薬の処方箋を出した。
「神宮さん、必ず時間通りに薬を飲んでくださいね」
医師は眠子を見つめて言った。
「毎週の診察も忘れないように」
眠子は頷いたが、その視線は窓の外を彷徨っていた。彼女がただ適当に相槌を打っているだけなのは、私にはわかっていた。
「先生、私が見ておきます」
私は処方箋を受け取り、医師に一礼した。
病院の玄関を出ると、眠子が不意に顔を上げて私を見つめた。
「柚子さん、会社に戻って仕事がしたい」
私は驚いて...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
11. 番外編 陽一
12. 番外編 陽一
13. 番外編 陽一
14. 番外編 柚子
15. 番外編 柚子
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