第198章 あなたは私のアイドル!上山さん!

上山世奈はテーブルの上に水の入った紙コップをことりと置くと、目の前の男を射抜くような視線で見据えた。

「辛いのは分かるわ。でも岩﨑、よく考えて。奴らは常軌を逸しているのよ。あなたへの報復のためなら、身籠っている奥さんさえ……」

「適当なことを言うな……! 報復なんて、あるわけがない……」

岩﨑陽生は声を荒らげたものの、その言葉には明らかな虚勢が混じっており、顔には苦渋の笑みが浮かんでいた。

上山世奈にとって、目の前のこの男は本来、万死に値するクズだった。しかしこの瞬間、彼女は奇妙な憐憫の情を覚えずにはいられなかった。

もし彼が最初から一攫千金の夢など見ず、あんな幻想を抱かなければ、...

ログインして続きを読む