第213章 病は気か

上山世奈が警察署を後にしたのは、午後三時半を回った頃だった。

「休暇を取るのが嫌なら、せめて家に帰って泥のように眠れ」

山崎署長からの厳命だ。

署員たちの前でそう言われてしまっては、世奈としても反論のしようがない。上司の顔を立てないわけにはいかないのだ。

彼女が足を運んだのは、馴染みのメンタルクリニックだった。

精神科医は、再び現れた世奈の姿を見て、驚きを隠せない様子だった。

「もう二度と、私を必要とすることはないと思っていましたよ」

「まさか……ただ、少し前まで立て込んでいただけです」

世奈は視線を少し逸らし、テーブルの上に増えていた愛らしいマスコットに目を留めた。毛足の長...

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