第221章 完

上山世奈は当初、危惧していた。これらすべての真実を知った時、江川陸斗はたしてそれを受け止めきれるのだろうか、と。

振り返ると、そこには見慣れた人影が佇んでいた。

だが意外なことに、江川陸斗は彼女の想像を遥かに超えて冷静そのものだった。

江川陸斗は両手をポケットに突っ込み、気怠げで奔放な様子を見せる。

「もう遅いぞ。上山さん、まだ残業を続ける気か?」

彼の言葉に促され、上山世奈は腕時計に目を落とす。

時刻はすでに午前三時半を回っていた。

仕事に没頭するあまり、時間の経過にまったく気づかなかったのだ。まさかこんな時間になっていたとは。

彼女は驚いて田口涼太の方を一瞥し、再び江川陸...

ログインして続きを読む