第6章

沙織の視点

 一週間後、私は八代田家の屋敷のテラスに立ち、遠くの夕陽を眺めていた。

 この一週間、勇人は私に十分な距離をくれた。過剰に気遣うことも、根掘り葉掘り訊くこともない。ただ執事の金田に私の身の回りを任せ、家に戻った感覚に、ゆっくり慣れろと言うだけだった。

 私にも時間が必要だった。三年間の結婚生活は、悪夢そのものだ。目が覚めたあと、もう一度、生き方を覚え直さなければならない。

「沙織」

 勇人が近づいてきて、シャンパンを差し出す。

「今夜の宴の準備が整った」

「宴……?」

「再生の宴だ」

 くすりと笑って、勇人は続けた。

「各家が集まる。お前が正式に戻ってきたって...

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