#Chapter 156-サルベーション

エレナの視点

私の部屋の唯一の窓から差し込む光で時間の流れを知った。夜明けの光線、正午の明るさ、夕暮れの炎、そして夜の月明かりの銀色。

それ以外はすべて推測するしかなかった。

私は時計もカレンダーも持つことを許されなかった。ベッドの横の壁に印をつけて日数を数えようとしたけれど、彼らが検査のために私を連れ出した日のひとつに、私のつけた印を塗りつぶしてしまった。

「検査」は通常社会で私がどれだけ安全かを判断するためのものだったが、それは体内の薬物のせいで私には理解できないランダムな質問の連続だった。

彼らが何かを尋ねるたびに、正解と不正解があることはわかっていた。でも、どちらがどちらか頭...

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