第132章 突然現れた彼

あの日以来、立花郁葉は無意識に図書館を避けるようになっていた。

その代わり、工事現場に顔を出している時間が増えた。家に戻れば卒業論文を書き、展示会に出す制作物の準備。息をつく暇もない。

撮影現場では、長島遠が折に触れて彼女に声をかけてくる。

用件を聞き終えたあと、ふとした拍子に、こんなことまで言った。

「……お前、最近さ。男とデートとか、してなくね?」

立花郁葉は目を瞬いた。

「どうして急にそんなこと聞くの」

「だって見ろよ。朝から晩まで俺らと一緒に現場だろ。撮影は今のところ問題ないし、瀬戸先生にも言ってある。お前は空いた時間で卒業制作ちゃんと仕上げろ。今回、学校の上の人も結構...

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