第180章 お前の望みどおり

立花郁葉はハンドルを握りしめ、無表情のままアクセルを踏み抜いた。

佐伯元康が怖くないはずがない。

彼が賭けていたのは、立花郁葉が本気で自分を轢き殺すほどの度胸はない、という一点だけだ。

――だが、彼女の車が真正面から突っ込んできた瞬間。

佐伯元康は土壇場で横へ飛び退いた。

車は彼の足元すれすれを、減速する気配すらなく駆け抜けていく。

さっき避けられなかったら、あいつは本当に、俺の身体の上を――?

背筋がぞっとして、汗が一気に噴き出した。

いかれ野郎!

どいつもこいつも、いかれ野郎だ!

伏見行哉が異常なのは言うまでもないが、立花郁葉まで、あいつに染まって狂ったのか。

立花...

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